ビール2本の約束

私が連絡を取り合っている遺族の方との約束「ビール2本の約束」

自死で大切な人を失い、飲酒量が増加し、アルコール依存症のような状態になってしまった方がいる・・・
自死は、遺族の方に大きな衝撃を与え、これまでの生活を大きく変えてしまう・・・
私も、記憶を失うほどの衝撃を受け、今思えば、情緒不安定になり子どもたちに八つ当たりしたり、買い物依存症になったりしていたように思う・・・

その遺族の方とは、もう1年以上前からのお付き合いだが、なかなか飲酒量が抑えられないということで、
先日、私と「毎日、ビール2本以内に抑える」と約束したのである。

医師によれば、飲酒の量を適量に抑えるというのはとても難しいらしい・・・
きっと、大変な我慢と忍耐をしていることだろうと思う。
この約束がその方の負担になるのは百も承知、
それでも、私は、飲酒を抑え、ご家族のためにも健康で長生きしてほしいと思ったから、その方のためにと思い、約束した。

時々、その方からは、約束を守るべくがんばっている(時々2本半になるみたいですが・・・)とのメールが届く。かわいい熊さんとともに・・・

約束は、約束をした人を縛り、負担をかけるものである。でも、約束がその人のためになるものであれば、約束をした方がいいと思う。

私だって、夫との約束があったからこそ、今の私がある。

これからも、その人のためになる約束はしていきたいと思う。

ビール2本の約束、守ってくださいね

そっとしておいてほしい

自死遺族の方と一言で言っても、いろんな方がいる。

私と話すことで、ほっとしてくれる方もいる。

私とつながって、ずっとつながっていたいと言ってくれる方もいる。

その一方で、そっとしておいてほしいという方もいる。

きっと、そっとしておいてほしいという方が多いんだろうなと思う。

できれば、つらいことは思い出したくないし、考えたくない。
その気持ちはよくわかる。

自死と分かれば、周りの対応が変わったり、いろいろ言われたりするんじゃないかとこわくなる・・・
大切な人を失った悲しみだけではなく、いろんな心配をしたり、考えたり、悩む・・・
このままでは、自分がだめになってしまう・・・

よし、後ろを振り返らず、前を向いて頑張ろうと歯を食いしばる。
そんな遺族もいる。

でもね、そんなにがんばらなくていいのに・・・
自分をそんなに責めないで、がんばりすぎないでと思う。
そう思いながらも、その人の前を向きたい気持ちは大切にしてあげたいから・・・
そんなときは、私はそっと離れて、またいつでも相談していいからと伝えて、待っていることにする。
私にできることは、そっと見守り、そっと支えることくらいだから・・・

と言いながら、じっと待つ方が私にはつらい。

遺族の方々とつながって、本当にいろんな考え方があるんだとわかって、その人の思いを大切にしたいと思ったら・・・
メールしてもいいのかな、私のメールが負担にならないかな、私が傷つけたりしていないかな、なんて、いろいろ悩んでしまう。

でも、それは、私に相談して来られる方も同じなんですよね・・・
きっと悩んで悩んだ末にメールや電話してきているんだろうなと思う。

人への気遣い・・・それは、人を理解したい、人を大切にしたいという思いから始まる。
遺族の方々は、つらく悲しい経験をしているからこそ、より人を大切にしたいと思うところがある。

遺族の方々とメールや電話などで会話をするたびに、遺族の方々の優しい気遣いに触れ、私まであたたかい気持ちになれることが多い。
中には、必要以上に気遣いをされる方もいて、そこまで謝ったり気遣いされなくてもいいのにと思う方さえいるくらいだ。

私は、あなたほど、気遣いできているのだろうか。あなたを傷つけたりしていないだろうか。

自死遺族といっても、本当にいろんな人がいる。
支援してくれる方には、
「いろんな人がいるのだから、こうだと決めつけないで、どうかその人をよく見て、よく話を聞いて、よく考えて対応してほしい」
と切に願う。

自死遺族への対応に、マニュアルなんてない。

大切なことは、その人が何を望んでいるのかをしっかり見極めること。

つながっていたいと思ってくれているようなら、つながり続ける。

何か手助けしてほしいと望んでいるようなら、適切な支援先へとつなげる。

今はそっとしてほしいんだろうなと気付いたら、そっと見守る、待つ。

そうありたいし、そうしてほしい。

自死の記事を見る度に・・・

最近、有名人の自死の疑いなどの記事をよく見かけるようになりました。
そんな記事を見る度に、私の胸はぎゅっと痛みます・・・

ああ、また、死にたくないのに死んでしまったんだ・・・
また悲しむ遺族が増える・・・

どうしたら、自死ってなくなるんだろう・・・

自死の多くは防ぐことができるという。

たしかに、理論的には、自死の原因を取り除けば防げる・・・
でも、複雑に絡み合った原因、死に追い込まれるほどの原因をそんなに簡単に取り除くことはできないはず・・・
きっと、自死に至るほどの原因になる前に、もっと原因が複雑になる前に、心が壊れる前に、もっと早く、対応しなければならないのだと思う。

早めに相談してほしい。
がんばりすぎないでほしい。

無理してがんばって、心に負担がかかり、心の病気にならないように・・・

それでも、どうしようもなく、死ぬしかないと思ったときは、逃げてほしい・・・
でも、それさえも難しいときはある・・・
あの死しか頭に浮かばないときは、自分ではどうしようもない・・・
誰かの助けが必要・・・
きっと、薬だけでは防げないのではないかと思う。

私のような遺族をもう増やしたくない・・・

残された遺族の悲しみや苦しみは計り知れないのだから・・・

自死の記事を見る度に、何とかしなければと思う。多くの方の理解を協力がほしい。

そのために何をすべきか・・・日々考える。

視覚障がい者の方のために

先日、「声の奉仕会・マリア文庫」からお手紙が届きました。

内容は、「視覚障がいのある方に、この本を声に吹きかえて、届けさせてほしい」「許可してください」という依頼でした。

ああ、文字を声に吹き替えてくれる人たちがいるんだ・・・

この本をわざわざ音声に変えてくれるんだ・・・こちらこそ、お願いしたい

視覚障がいのある方にも、私の思いが伝わるといいな・・・

私は、もちろん、喜んで許可をしました。
もちろん、講談社の許可も得たうえで、

正式にお返事しました。

なんだか、心があたたかくなるお願いでした。

だって、誰かの力になるために、何かをするって、

本当にすごいことだと思うのです・・・

きっと、私の知らないところで、もっと多くの方々が、

誰かの力になるために、ボランティア活動されているのですよね・・・

私も、誰かの力になるために、がんばらなければ・・・

自死遺族の方は、どうか相談してください

3月7日、広島弁護士会主催の自死遺族支援のシンポジウムを無事に終えることができました。

たくさんの方にご来場いただき、本当にどうもありがとうございました!
皆さん一人一人がいろいろ考えてくださること、それが一番大切なことです。

自死の予防については、皆さんの関心も高いのですが、自死遺族支援となると、なかなか関心は高くはありません・・・
自死遺族は、自分が自死遺族であるとなかなか打ち明けられないので、なかなかその現状が伝わらないところがあります。

そっとしておいてほしい・・・
そう思う自死遺族も少なくはないと思っています。

でも、自死遺族が直面する法律問題は、実はたくさんあります。

自死した人が賃貸マンションで亡くなれば大家さんから損害賠償請求されるので、相続すべきか相続を放棄すべきかも考える必要があります。
また、大切な生命保険も支払われないことがあります。
自死の原因として、仕事の過労やいじめがあるなら、労災申請や損害賠償請求をすることもできます。

だから、自死遺族の方は、できるだけ早く弁護士に相談してほしいと思います。
最近は、いろんな無料の法律相談もありますし、私に直接電話やメールしてくれてもかまいません。自死遺族の方に降りかかる問題が何かわからなくても、一緒に整理し、何からしなければならないのかアドバイスします。

悩みは一人で抱えないで・・・
私も一緒に背負いますから・・・
どうか勇気を出して連絡ください。
引き続き、無料の法律相談の情報などアップするようにします。

どうか誰かに相談をしてください。
それが、私の願いです。

学習発表会を見て

昨日は、長女と次女の学習発表会が小学校でありました。

日曜日ということもあり、すごい人でした~お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんまで~立ち見が出るほどのすごい人だかり~広い体育館が狭く感じたほどでした!

実は、私、子どもたちのこういう舞台、見ると涙が出てしまうんです・・・
頑張っている子どもたちの姿に感動し、そのうえ、パパが生きていれば・・・
と思うと、もう涙があふれてしまいます・・・

だから、いつも、できるだけ一人で、見るようにしています。

だって、泣いている姿を見られるのは、恥ずかしいから・・・
あ、きっと、これを見た祐子ママは、「いいじゃん、泣いたって・・・」と言いそうな気がするけど・・・(笑)

でも、子ども亡くした遺族の方は・・・

悲しみを抱いている人に、できるだけ優しく接することのできる社会になるといいのだけど・・・
私は、私のできることから始めるしかないと思っています。