あなたのやさしさを

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自死遺族に対する接し方


 どうかそっとしておいてあげてください
 自死遺族の方の心はボロボロです・・・
 あたたかく見守ってあげてください
 気にかけてあげてください

 あなたのやさしさが必要なのです


自死遺族としての思い



私は、今でも、夫を死なせたのは自分だと思っています。
それは、夫の死に対し、私に法的責任があるということではなく、
愛する家族だからこそ、感じる後悔の思い。

だから、私の自責の念は決して消えることはない・・・
消えることを願ってもいない・・・
永遠に続く後悔の思い・・・

それは、後から振り返れば、
「あのとき、こうしていれば・・・」という思い。
幾度となく後悔し、
どうすればよかったのかと考えてはいるけれど、
答えは見つからない・・・
 
計り知れない後悔の山。
でも、まさか自死するなんて・・・
誰よりも努力家で、スポーツもできて、
子どもも大好きで、自慢の夫が・・・
まさか、まさか、まさか・・・

だから、「自殺のサインを見逃すな」などというキャンペーンを見かけると、
「違う」って言いたくなります。
みんなで見守ろうという発想はいいとは思います。
でも、自死のサインなんてものは、
後から、それがサインだったと気付くというもの・・・
そのときにはわからないもの・・・

仮に、つらい状態でいることはわかっても、
詳しい事情はわからないし、
どう手を差し伸べていいのかもよくわからない・・・

仮に、自死のサインに気付いたとして、
家族は24時間365日ずっと、見守ることなんてできない・・・

こんなキャンペーンよりも、もっと大切なことがあるはずです

そう、自死に追い込まれる人の多くは、
追い込まれるほどの社会的な要因を抱えているのです。
その社会的な要因を取り除かなければ、自死はなくならない・・・
過重労働やいじめなどなど、
人が人を追い込む状況をなくすよう努力することこそが
大切なはずです。

こんなキャンペーンはいらない
もし、キャンペーンをするとしても、
「つらいことがあったら、相談してください」
「つらいことから逃げてもいい」
などがいいのではないかと思っています。

それに、「自殺のサインを見逃すな」というキャンペーンは、
自死遺族を傷つけます。
自死遺族である私には、このキャンペーンは、
「あなたが自殺のサインを見逃したから、あの人は自死した」
と言っているように見えてしまう。
後悔に苛まれている遺族に対し、さらに追い打ちをかけているのです。
自死の予防にふさわしくないキャンペーンを繰り広げ、
さらに自死遺族を傷つけるなんて・・・
もっと、よく考えてほしいのです。
 
さらに自死遺族に追い打ちをかける社会のことも、
みなさんに考えてほしいのです。
 
保険会社からは、「自殺だから、入院費用は支払えません」
「自殺免責期間が過ぎていないので、生命保険金は支払えません」
などと言われることがあります。
死にたくて死んだんじゃないのに・・・
自ら命を絶つことがどんなに苦しいことか・・・

賃貸物件での自死の場合は、大家さんから「お祓いをしてください」
「損害を賠償してください」などと言われ、
多額の損害賠償請求をされることもあります。
精一杯、生きてきたのに・・・

鉄道事故の場合、遺族の方が鉄道会社に申し訳ないと思い謝罪に行くと、
しばらくして、「こちらが被った損害を賠償してください」などと言われ、
損害賠償請求をされます。
わが子が迷惑をかけ申し訳ないと謝りに行ったら、
それで遺族の身元が分かり、多額の損害賠償を請求されるなんて・・・

さらに、過労死など明らかに他の原因がある場合でも、
会社は会社の責任を認めないだけではなく、
パワハラなどの事実に争いがある場合は、
他(家族)に原因があるなどと遺族をさらに攻撃することさえあります。

学校でのいじめなどの問題では、何があったのか、
学校や教育委員会はきちんと説明してくれない・・・
ある日、突然、大切なわが子が命を絶ったのに・・・
せめて、何があったのか、それだけでも知りたいのに・・・
遺族の思いは、なかなか届かない・・・

もし、仮にあなたの子どもが突然自死したら、
学校で一体何があったのか知りたい
と思いませんか?
親ならば、そう思うはずです。

当たり前の思いさえ、わかってもらえない。

どんなに傷つけられても、
あのときに気付かなかった私が悪いと自分を責めて、
苦しすぎて、つらすぎて、
自死遺族の多くは相談さえできないのです。
自死遺族の分かち合いの会に行って、相談する遺族の方は、わずか数%・・・
もはや、自死遺族には、相談する力も残されていないのかもしれない・・・
強い自責の念から、相談をためらう遺族もいるのかもしれない・・・
大切な家族が自死したということを受け入れられないのかもしれない・・・
誰にも知られたくないのかもしれない・・・
後悔や悲しみのあまり、何も考えられないのかもしれない・・・

自死遺族の多くは、悲しくつらい思いを抱いたまま、沈黙を貫いています。
自分を責めて、必死に耐えているのです。
そんな自死遺族の方に法外な請求をする人たちがいます・・・

もし、皆様のそばに、自死遺族の方がおられましたら、
ぜひこのサイトや自死遺族を支える会があることをお話してください。
自死遺族の方々の法的な問題を放置しておくと、
様々な不利益を被ることがあります。
自死遺族の方が、専門家に相談することができるよう、
あなたがつないであげてください
 


あなたのやさしさを」への1件のフィードバック

  1. はじめまして。私も遺族です。
    キャンペーンに関してほんとうにそう思います。
    なのでやはりサインを見逃した私が悪いと思い苦しいです。
    でも振り返ってあの時何ができたのかは後からの想像しかできません。
    それで万が一たまたま止めれたとしても私は優しく言葉をかけられたのかちまよって怒りから怒ってしまったかもしれないとも思います。その時は冷静ではいられたかどうかもわかりません。でも怒ったとしても代好きだからかもしれません。
    でも私は少し違う意見ですがイジメでもパワハラでも自殺しない人がほとんどです。
    その人それぞれの性格もあるとも思います。イジメられて強くなるタイプもいたりします。なのでやはり何があろうと自殺はしてほしくなかったです。
    遺された家族の事を1ミリでも考えて生きて逃げる方法を考えて欲しかったです。
    自殺する子は家庭環境が悪いなどと思われがちですが実際は恵まれてる家庭の子でもたくさん自死しています。虐待された子は辛いしいけない事ですが虐待された全員が自死してる訳でもなく大人になり良い家庭を築いてる人もたくさんいます。
    私は思います。なにか違う性質の力も働いている ネットなどの自殺願望や集団自殺の呼びかけ パワハラやイジメなどのキーワードに反応しすぎたかもしれない。
    人は悪い情報にはまってしまう いろんな要素がその人をその方向に導いたようにも思えます。 やはりどんなに辛い時でも自死はいけないと洗脳でもいいのでキャンペーンするなら言ってほしい。周りにいうのではなく自殺しょうとしてる本人に気がついてけれるようなキャンペーンをして欲しいと思います。
    鉄道会社も賠償金を言うのは当たり前かもしれません。彼らには単純に迷惑をかけたにすぎないからです。 これは悲しいけど現実 すいません 私の勝ってな意見です。 それども今も自分を責めて生きてます。

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