涙があふれてしまう・・・

9月17日土曜日、広島弁護士会館で、「小さな一歩・ネットワーク広島」主催で、
「生きづらさ」を分かちあうフォーラム(詳しくは、ここをクリック)が行わわれました。

NPO法人白浜レスキューネットワーク代表の藤藪庸一さんの基調講演をはじめ、
生きづらさを抱えている当事者の発表がありました。

その当事者の発表の中で、二人の自死遺族の方が話をしてくれました。
二人とも、今回初めての発表。
知らない人の前で、自死遺族としての体験談を初めて話す。
きっと、いろいろ悩んだと思うし、勇気も必要だったと思います。

初めての発表なのに、とても落ち着いた感じで話し始めた二人。
ですが・・・二人とも、やはり涙があふれ出て、最後には涙声になっていました。
二人とも、「泣くまい」と強く思っていたそうですが・・・

心ならずも泣いてしまったことで、恥ずかしそうでしたが、
涙は自然にあふれるもの。
その涙は、愛おしいという思いがあふれ出しているもの。
だから、恥ずかしがらなくていいの・・・

私には、二人の涙が愛おしくて愛おしくてたまりませんでした。
勇気を出して、話をしてくれて、本当にありがとうございました。

と言いながら・・・
私も、講演では、いつも泣いてしまう・・・
だからいつも、「今日こそ泣かない」って思って講演をしているんです。
私だって、人前泣くのは、やっぱり恥ずかしいから・・・

でも、涙があふれ出てくることを止められないんです。
もう何度も講演しているのに・・・
愛しい人のことを思い出してしまうと、
熱いものがこみあげてきて、泣いてしまうんです。
きっと、今でも愛おしいと思っているから。
一間で泣くなんて恥ずかしいと思っているのに、
でも、あの人が愛おしいから、
自然に涙があふれ出るんです。

今でも会いたいもの。

生きたかったのに、生きられなかった、私たちの愛しい人。
あなたがいなくなって、
悲しくて、つらくて、
あなたのもとに行きたいと思うときもあるけど、
ここでがんばって生き続けます・・・
いつか、あなたに会えたとき、
たくさんの話をしたいから。

でも、このつらい、やるせない思いは、私たちだけでもうたくさん。
もう誰も死なないで・・・お願いだから。

どうか、私たちの思いが皆さんに届きますように・・・

高知市での講演を終えて

先週の10月17日に行われた講演には、本当にたくさんの方が聴きに来てくださり、ありがとうございました。

講演の前には、「今日こそ、泣くまい」と思って講演に向かうのですが・・・
夫の話をするとなると・・・
そのときの状況が頭に思い浮かび、熱いものが込み上げてきて・・・
そのうえ、他にもいろんな理由から自死した方、その遺族の方々のことが思い浮かび、涙が止まらなくなります・・・

自分の体験を話すのもつらいけど、他の遺族の方の心の内を思うと・・・

高知市での講演でも、また自死遺族の方とお会いすることができました。
その方は、勇気をもって、私に話しかけてくれました。ほんとにありがとうございました。
その方も、突然夫を亡くされ、子どもを育てるために懸命に働いてこられたとのこと・・・
涙目で話されるのですが、どこか懸命に生きてこられた証のようなものが宿る顔に、「きっとがんばってこれらたんだろうな・・・」と思いました。

私も、そんな顔になれるかな・・・うん、私なりに、がんばって生きていこう。

今回の講演会の主催者は、「高知うろこの会」といって、これまで消費者金融の借金で苦しむ人のために、クレジットサラ金業者と闘ってきてくれた団体。
私が、のほほんと主婦していたころ、この方たちは、不当に高い利息で返済に苦しむ人たちのために、勇気を出して戦っていたのです。
そして、見事に運動を成し遂げたすごい方々。
でも、私は勉強するまで何も知りませんでした・・・ごめんなさい・・・

そして、何よりもうれしいのは・・・
この方々は、今も、生活に苦しむ人のために、何かできることはないかと考え、自死予防や自死遺族の支援にも協力してくれています。
クレサラの被害者の中には、自死未遂の経験者も多いと聞きます。
一人一人の命を大切に・・・
今の自分たちでできることは何かを考え、できることをしようとしてくれています。
本当にありがとうございます。
活動は、精神的にも経済的にも大変だと思いますが、引き続き、どうかよろしくお願いいたします。

自死は、その人が弱いからという理由だけで、起きることはありません。
というか、私の夫は決して弱い人ではなかったので、その人の「弱さ」から自死したんだというようなことを言われると、違うと叫びたくなります。
私だって、自死未遂者、この私も弱い人だというのでしょうか。

自死する人には、自死してしまうような理由が必ずあります。
その自死の理由も、よくみていけば、労働問題など社会の問題だと気付くことが多いのです。
それなのに、国の自死予防対策は、まるで精神科にかかれば大丈夫というような内容・・・
自死した人の約70%以上はすでに精神科などの病院にかかっているのです。
精神科医に通っても自死してしまうくらい、すでに精神状態はボロボロなのです!

どうして、自死する人がそこまで精神状態がボロボロになってしまったのか、どうしたらいいのか、そういう考えはないのでしょうか。

自死を防止するためには、皆さんがゲートキーパーになって、自死の危険のある人に気づき見守ることも大切です。
しかし、これは、水際での対策、対処の仕方でしかありません。
そもそも自死の原因となっている社会の問題にも目を向け、どうしていくべきか考えることも大切なことです。こうした社会の問題に目を向け、自死する危険性を少なくするという考え方が必要だと私は思います。

講演の最後にも言いましたが、自死について、「あなたなら、どう考えますか?」

今度は、秋田市内で、「自死遺族の支援」についての講演を行います。
私は、ここでも、一人の自死遺族として、また弁護士として、私の考えを述べたいと思っています。
また、秋田市内の講演もHPで案内しますので、よかったら聴きに来てくださいね。

心を込めて、お話させていただきますので!

シンポジウムのご案内

6月29日日曜日の午後1時30分から4時30分まで、
【会場】国保会館 大会議室( 〒730-8503 広島市中区東白島町 19番49号)にて、自死問題シンポジウムが開催されます。

私も、パネラーとして参加する予定です。
自死遺族として、弁護士として、自死問題に積極的に取り組みます!

詳しいことは、http://chiisanaippo.com/041.htmlをご参照ください。
多数の参加をお待ちしております。